- 独り言
SAAJ第295回月例研究会の感想
勉強会みたいに時間が決まってると、ちゃんと勉強する気がする……。
というわけで、日本システム監査人協会(SAAJ)第295回月例研究会へ参加してきました。
テーマは「デジタルガバナンスコード3.0」。
DX認定などの制度の根拠になっているものです。
「デジタルガバナンスコード」は、その名の通り、「デジタル」の「ガバナンス」に対する「コード」のことです。
ここでいう「デジタル」とは、ITを利用した技術やサービス全般を指します。
「ガバナンス」は、かつてはよく「統治」と訳されていましたが、その訳語にある通り、組織などをどのように統治していくかという方針のようなものです。
そして「コード」というのは、ガイドラインよりは強く、法律よりよりは弱い概念です。
以上を合わせると、「デジタルガバナンスコード」というものは、『デジタル技術の活用を統治する方針に関する公的な指針』といった意味合いのものになります。
さて、気になる研究会の内容ですが、「デジタルガバナンスコード」に関する説明から始まり、「DX認定」/「DX銘柄」などの説明を経て、『デジタルガバナンスコード3.0での改訂ポイント』などの説明がありました。
非常に分かりやすく、ITに詳しくない人でも、ビジネス講座的に聴講できそうだと思いました。
その中でも、私の心に特に印象深く残った2点について、お話ししたいと思います。
ひとつめは、DX認定。
これ、勘違いしていたのですが、企業でなくても申請できるんですね。
私は個人事業主なので他人事みたいに思ってましたが、ちょっとこれを機に申請を目指すのも面白いかもしれません。
少し話が先走ってしまいましたが、日本には「DX認定」という制度があります。
先にも述べた通り、「デジタルガバナンスコード3.0」が根拠となっている制度で、DXに対して前向きに取り組んでいる「事業者」を認定するものです。
これに認定されると、専用のロゴが使用可能になったり、公的な融資や税制で優遇されるなどのメリットがあります。
ただ、その取得率はまだまだかなり低水準のようです。
今日の説明にあった資料では、東京都の事業者のうち、DX認定を受けているのは、わずか 0.16%。
大企業も集まる首都ですらそんな水準ですから、地方になるともっと下がります。
例として挙げられていた沖縄県は、わずか 0.05%。
2,000 社に 1 社という水準です。
要因としては様々な点が挙げられるようですが、やはり組織の問題意識、もっと具体的に言えば、経営層の危機感が、まだまだ足りていないようです。
また、ようやく重い腰を上げたと思っても、単なるデジタル化にとどまってしまい、DXの水準まで到達できないという現状もあるようです。
その一方で、大企業の中では、理想的なDXを実現して「DX銘柄」に選出される企業もあります。
こちらは、上場していることなど、かなり基準が厳しくなるのですが、こういった企業ではDXが進み、実際に効果が上がっているようです。
幸い、私自身はデジタル人材です。
多くの企業が頭を悩ませているデジタル人材の不足については、ある程度対応できます。
なので、まずは自分からDX認定を目指してみるのもいいかなと思いました。
もうひとつは、デジタルスキル標準。
こちらは前にも記事を書きましたが、IPAから公表されている、DXの役に立つデジタルスキルを整理し、どのようなデジタル人材が必要とされているのかをまとめた資料です。
この資料を活用することで、現在の組織に不足しているデジタル人材や、検討している企画に必要なデジタル人材などを整理することができます。
あるいは、人の立場から見ると、自分のスキルがどういうことに役立つのかや、自分が何を学ぶことで、どんなキャリアがあるのかなどをイメージすることもできます。
このように便利なデジタルスキル標準ですが、できてから日も浅いこともあり、まだまだ浸透していないように思います。
これに危機感を抱いたのか、「デジタルガバナンスコード3.0」では、文章の中で、デジタルスキル標準を参照してアクションをとることを明記しています。
つまり、DXをやりたければ、デジタルスキル標準を活用しろと、DXの教本に書かれているということです。
こちらも、前回の記事から時間がたっていますし、今一度見直してもよいかもしれません。
そんな感じで、「デジタルガバナンスコード3.0」について、大変興味深いお話を聞くことができました。
特にDX認定については、割と本気で取ろうかと思っています。
色々と準備はいるでしょうが、DXを語るなら、まずは自分がDXしてなきゃ説得力がないですよね。
となると、ちょっと事業経営的なことも考えなければなりません。
私の競争優位性とは? コアコンピタンス? 強み? 弱み?
うーん……考えることは多そうです。
それでは、新たな目標ができたかもしれない、山本慎一郎でした。