- 独り言
もっとコンピュータを恐れてほしい
昨今では、DXやChatGPTなどのお陰で、プログラミングに興味を持つ人が増えました。
ただ、ひとつとても気がかりなことがあります。
それは、『ITやコンピュータを恐れていないこと』です。
確かに、ITやコンピュータというのは、『便利な道具』です。
もうこれなしでは、仕事も遊びも成立しないと言って差し支えないでしょう。
しかし、どれほど便利な道具でも、使い方を誤ったり、よく知らないまま使っていると、大きな被害を招くことがあります。
企業では、ランサムウェアなど、組織を標的としたサイバー攻撃が多数報道されたことで、中小企業を含め、多少は危機感が出てきたように思います。
ですが、ひとりひとりの個人に目を向けると、大多数の方が、未だに何の危機感もなくITやコンピュータを利用しています。
特に最近恐ろしく感じているのは、『十分な知識がないままライブラリなどを改造し、製品として世に提供している』というパターンです。
プログラミングは副業としても人気のようですが、十分な知識がないまま製造し、十分な知識を持たない人へ納品するため、誰も気づかないまま野放しにされています。
これの何が怖いかというと、何かの拍子にそのようなプログラムに触れてしまう可能性があるということです。
一番分かりやすいのは、webサイトでしょう。
検索サイトで見つかったページにアクセスしたら、本来実行できないはずのスクリプトが実行され、自分の意思に反する操作を行われてしまった。
ECサイトでお買い物をしたら、個人情報が丸々外部に抜き取られていた。
こんなインターネット、安心して使えますか?
誤解のないように言っておくと、プログラミングという分野に手を伸ばすこと自体には、何の反対意見もありません。
ですが、十分な知識がないまま、ネットで調べて見つかった方法をコピペして改造するような真似は、どうか止めていただきたい。
私も完全な知識を持っているわけではありませんが、その方法を使うことで何がどうなってどんな影響が出るかぐらいは分析できます。
そして、その影響が許容できないほど大きいなら、採用を見送ったり、対応策を検討することもできます。
世に公開するようなプログラムでは、せめてそれぐらいできるようになってから「改造」してほしい。
最近、つくづくそう感じています。
何だか愚痴っぽくなってしまいました。
私としても、できることなら対応策を考えてお話したいのですが、どうにも有効な対策が思い浮かびません。
皆さん、手っ取り早くお金を稼ぎたい一心のようなので、このようなお金にならない「説教」は、中々届きそうにありません。
また、コンピュータの動作を中心にお話ししましたが、著作権の侵害なども相当ひどい有様です。
『デザイナーを目指しています!』と言いながら、アイコンが版権物のキャラクターの切り抜き画像だったりします。
『デザインの前に勉強することがあるでしょう』と言いたくなります。
もう、一体全体、どうすればいいのでしょうか。
デジタル庁の掲げる、『誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化』は、どうやったら実現できるのでしょうか。
『デジタル化による成長戦略』なんて考えてる場合じゃないです。
『デジタル化から国民を守る方法』をまず考えるべきです。
はぁ……。
一体、どうすればいいのでしょうか。
それでは、安全なデジタル社会を望んでやまない、山本慎一郎でした。