- 独り言
十年振りに達人プログラマーを読んでみた
「達人プログラマー」という書籍があります。
職業としてエンジニアになる前、まだ趣味のプログラマだったころに読んだ本です。
たまたま、書籍類を整理していたところ、段ボールの奥底から発掘されたので、久しぶりに読んでみました。
前に読んだのは、もう十年以上前です。
そうすると、驚いたことに、自分の今のプログラミング哲学は、同著の内容に似たものになっていました。
十数年前、『達人とはこういう人たちなのか……』と思って読んだものに、実際に自分が近づけている。
そう思うと、少しうれしい気持ちになりました。
ネットの情報によると、今は第二版の日本語訳が発売されているようですが、私が持っているのは初版です。
真っ黒の表紙が特徴的で、ちょっと高級感というか、プロ意識を感じさせます。
その本の中でひとつ、頭に残っていたヒントを引用します。
「割れた窓を放置しておかないこと」
(達人プログラマー初版(ISBN 4-89471-274-1) p.5)
端的に言うと、『小さな誤りを放置しないことにより、全体として管理が行き届いた状態を維持する』ということだそうです。
この言葉は、当時の私にも、職業としてエンジニアになってからも、そして今でも心の片隅にあります。
それほど、インパクトのある言葉でした。
もっとも、職業としてエンジニアになってからは、それがどれだけ難しいことか思い知らされます。
時間には制限がある、手を加えたら影響範囲が大きい、動いてるから優先度が低い……様々な理由で割れた窓を直せませんでした。
ただ、かつて読んだ時とは異なり、今の私はちょっと小賢しくなりました。
『放置しておかなければいいのだから、改善の必要性を定期的に訴えればいいのではないか?』
実際問題、選択できるもっとも有効な対策は、そのような定期的に訴える行動だったりします。
それが果たして達人の答えかは分かりませんが、少なくとも直そうとする意思を捨てていないところは、同じではないかと思います。
今回のように、かつて読んだ本を読み返すというのは、中々面白いものですね。
当時と比較して思慮にふけったり、あるいは当時は気づかなかった新たな発見があります。
この独り言記事も、いつかそういうふうになるんですかね?
そうなったら、ちょっと面白そうですね。
それでは、達人に近づいているのかもしれない、山本慎一郎でした。